論理の流刑地

地獄の底を、爆笑しながら闊歩する

ディビジア指数(Divisia index)について

食欲の秋でも芸術の秋でもなく、知識欲の秋にしたいな

Introduction

労働系の記事を見ていたらでてきた指標だが私のような無学おじさんにはわからんかったので、勉強する。

参考URL

  1. 「経済分析」第170号の解説 ※冒頭が参考に
  2. RIETI「TFP成長率の予測」 ※pp.3-5あたり

Definition

ひとことでいってしまえば、

Divisia指数とは「価格によってウェイトされた労働投入量の微分値を、労働投入量によって基準化した値」である

前提

時点tの労働投入が価格によって重みづけられているとは、以下のような状態をいう。
時点tの異なる質の労働投入がl_{it}, \ ( i = 1...L )によってあらわされていてその価格がp_{it}であるとすると、重みづけられた総労働投入量は
 L_t = \Sigma_{i=1}^{L} p_{it} l_{it}とあらわされる。

導出

上の定義でいうところの、「価格によってウェイトされた労働投入量の微分値を、労働投入量によって基準化した値」は
 \frac{\dot{L}}{L}というかたちで数式化することができる。何で微分しているかというというと時間tで(全)微分している。

ここで、   p_{it} l_{it}= q_{it}とすると、全微分の公式より、
 \frac{\dot{L}}{L}= \Sigma_{i=1}^{L}   \frac{\partial ln L}{ ln q_{it} }\frac{ d{ln q_{it}}}{dt}  =\Sigma_{i=1}^{L} v_i \frac {\dot{q_{it} } }{q_{it}}
となる。ここで、 v_i はi番目の労働グループの全体における賃金シェアである。

ここの二番目の等号がはじめ見たときにはなんでかわからんかったので、ちょいと詳しめに書いておく。
まず第二項については、(ln(f(x))' =  \frac{f'(x)}{f(x)} なので、\frac{ d{ln q_{it}}}{dt} = \frac {\dot{q_{it} } }{q_{it}} となるのは比較的スムーズ。

問題は第一項に関する等式である。つまり、
\frac{\partial ln L}{ ln q_{it} } =v_i となぜなるのか、ということである。

これは以下のように考えると導ける
\frac{\partial ln L}{ ln q_{it}} = \frac{\partial ln L}{\partial L} \frac{\partial L}{\partial q_{it}} \frac{\partial q_{it}}{\partial  ln(q_{it})}
= \frac{1}{L} \times  1 \times \frac{1}{\frac{1}{q_{it}}} = \frac{q_{it}}{L} = v_i

ここで\frac{\partial q_{it}}{\partial  ln(q_{it})} =\frac{1}{\frac{1}{q_{it}}} には \frac{dx}{dy} = \frac{1}{\frac{dy}{dx}}が利用されている。

このようにして、上のディビジア指数の定義\Sigma_{i=1}^{L} v_i \frac {\dot{q_{it} } }{q_{it}}が導かれる。

算出の実際(上のRIETIの資料参照)においては、賃金シェアにおいては2時点間の平均値が用いられ、
 \frac {\dot{q_{it} } }{q_{it}}に関しては(近似として)ln( q_{i(t)}) - ln( q_{i(t-1)})が用いられることが一般的である。

Conclusion

今更になって知識のインプットや新たな発見に対しての飢餓感が大事だと感じる。年をとって経験で補えることが増えてくるからこそ。


"モチモチモチモチベ"かつMochibe is yabai highな感じを保っていきたい...

Enjoy!