最近印象に残った言葉 part2
うぐひすに 人は落ち目が 大事かな
黒澤は少し黙り、そのまま車を走らせていたが、やがて、
「罪は引力みたいなものだ、と書いてあったな」とぼそりと言った。
「罪が引力?どういうことだ」
「地上にあるものは罪から逃れられない。罪をゼロにはできない、生きてれば誰だって罪がある、という意味かもしれない。
生きてれば誰だって罪がある、という意味かもしれない。罪のない人間なんてありえない 」
(伊坂幸太郎, 2017, 「ホワイトラビット」新潮社、p.257)
「科学ではわからないこともある」じゃねぇ
わからねえことにルールを探す そのクッソ地道な努力を科学と呼んでるだけだ
まず始めに、本書にオリジナルな要素はない。
私自身の独創に由来するアイディアは皆無である。
私は、多くの研究史料を吟味し、そこに内在する法則を発見し、それをどの程度まで展開することができるかを試みたにすぎない。
創造的側面があるとすれば、全体性のあるまとまりのある構造としてこの形態を見定め、数々の点と点と結んだところにある。
(Scott , James C. 2009=2013『ゾミア:脱国家の世界史』みすず書房、p.xi)
- 作者:ジェームズ・C・スコット
- 発売日: 2013/10/04
- メディア: 単行本
「普通なら芸術に必要なのは感性とか感覚だと考えますよね。 でも、僕は圧倒的な計算力だと思います。
音楽なら、どういう風に曲を始めるか、どう展開させるか、そろそろ聴く人が飽きてくるタイミングでどう終わらせるか。
それは計算して先を見越していないとできません。」
「「天才とは論理的なものである」という言葉が、彼にはぴったりくる気がします。
非常に派手な技を使っているように見えて、ひとつひとつ論理的な思考で成り立っているんです」
(スポーツグラフィック ナンバー vol.1010, p.23, 佐藤天彦九段の発言)
- 発売日: 2020/09/03
- メディア: Kindle版
小津を見たまえ。 あいつは確かに底抜けの阿呆ではあるが、腰が据わっている。
腰の据わっていない秀才よりも、腰の座っている阿呆のほうが、結局は人生を有意義に過ごすものだよ。
(森見登美彦『四畳半神話体系』)
- 作者:森見 登美彦
- 発売日: 2008/03/25
- メディア: 文庫
川上「いまは、やっぱり、分業がよくないなって思ってるんですよね。
分業しないで、物事を設計するひとが生まれるにはどうしたらいいんだろう」
岩田「私は別に、分業したら人が育たなくなるかというと、そんなことはないと思うんです。
私が思うに、成長する人っていうのは、「自分の担当領域部分以外にどれくらいの野次馬根性と興味があるのか」って部分が結構重要な気がしていまして」
...(中略) ...
岩田「もっと言えば、「人が変わっていく」ということの重要な構成要素として、野次馬根性ーーすなわち「好奇心」っていうものが、すごく重要な要素になっているなと、よく思うんです。」
(任天堂・岩田氏をゲストに送る「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」最終回――経営とは「コトとヒト」の両方について考える「最適化ゲーム」より)
川上「宮崎駿さんなんかは、「こういうシーンがあったらいいな」っていうものを、まずイメージボードにどんどん書いていくらしいんですね。
とにかく「素敵だな」ってシーンをたくさん書いて、そのあとで、その間を繋げていくストーリーを作るっていう。宮崎さんは、そういう作り方をしているみたいなんです」
岩田「見せたいものが先にあって,その見せたいシーンを作るために、「後から文脈を作りあげていく」みたいな作り方をされているってことですよね。」...(中略)...
岩田「宮本さんのゲームのつくり方は、ストーリーや設定からは入らないですね。
一番最初は、それこそ記号のようなものが動いて、その手触り感や遊びの構造みたいなものを部分を作りこむんですよ。で、あとからキャラクターだったり、世界とかを貼りつけてゲームにしていきます。
まさに、まず「見せたいもの」や「提示したい遊び」を作って、「この構造は面白い、これは勝算がある」って、例えば宮本さんが思う。
そうしたら、「じゃあこれはゼルダでやろうか、マリオでやろうか」みたいな話をするんです」
...(中略)...
岩田「宮本さんはもともとインダストリアルデザイナーですから、エンジニアリングとアートの中間にいるような人なんですよね。
で、ゲーム作りっていうのは、まさにアートとエンジニアリング、両方の素養が必要な仕事で、
宮本さんの場合は、まずは機能面から作りこんで、デザインはその機能にあったものを後で作るんです。
で、「ストーリーや設定は最初に作らない」っていうのが、宮本さんや、その弟子にあたる人たちの作り方なんです」
川上「いや、ものづくり全般において、それが正しいやり方だと思うんですよね。
ドワンゴも、新しいサイトのデザイン案とか、新サービスの提案とかが、企画書で来るんですけど、本当につまらないが多いわけですよ。
つまらない確率が高すぎてそれはなぜだろうって考えると、たぶん先に「表現したいもの」があるんじゃなくて、理屈で案を作ってるからだと思うんですよね」
岩田「「要件定義はなんですか?」みたいなね。
でも、その意味でも、やっぱり「見せたいものがある」というのは強いんですよ。だって、それを軸にモノを考えられますし」