論理の流刑地

地獄の底を、爆笑しながら闊歩する

読書

小中英嗣(2024)『科学で迫る勝敗の法則:スポーツデータの最前線』

名古屋サポーター、そしてJリーグファンにはおなじみの小中英嗣先生の新著。 発売日は年明けだが、都内大型書店には既に並んでるとのことだったので早めに入手した*1ら面白くて一気に読了。すぐに内容を忘れる鳥頭なので、自分用の雑多なメモ科学で迫る勝敗…

善教将大(2018)『維新支持の分析:ポピュリズムか、有権者の合理性か』

維新支持の分析 -- ポピュリズムか,有権者の合理性か作者:善教 将大有斐閣Amazon なんか何もやる気が出なくて(←こういう表現自体自体が本当に精神的未熟さを反映しているので使うべきではないのだけれど*1)、ふと本棚に大量にある積読の中の一冊と目が合っ…

年末年始によんでいたもの(2022→2023)

師走も走り去りぬ。例によって年末年始は(帰省や移動時間を利用して)読んでみようと当初思っていたものの2~3割ほども読めなかったが、読んだものについて超簡単な感想・備忘など。 記録をとらないと読んだことも忘れちゃうゆえ*1 クリスチャンセン&チェ…

薬丸岳『友罪』

友罪 (集英社文庫)作者:薬丸岳集英社Amazon数か月ぶりにフィクションを読もうとおもって近くの古本屋で購入。 W杯を傍目にみつつ読み進めていたら、途中で引き込まれて600ページ弱を一気に読み終えてしまった扱っているテーマがテーマなだけに、「爽快な読後…

最近よんで印象に残ったもの(2022年8-9月)

ここ1か月半くらいで読んだもののうち、記憶に残ったものについて少し備忘*1。まとまって要約するというよりは、印象的なところを抜き書き。 読書はだいたいいつでもしているんだけど、ここのところ読んだ物は印象的なものが多かったので。読んだそばから内…

Jane Jacobs『発展する地域 衰退する地域:地域が自立するための経済学』

正月気分が抜けないが、それを恥じるのではなく むしろ種火のように大事に育てていき、気分だけは年中正月でいるのがいいのかもしれない(これが今年の目標*1) 発展する地域 衰退する地域: 地域が自立するための経済学 (ちくま学芸文庫)作者:ジェイン ジェ…

猪木武徳, 2021, 『経済社会の学び方』

経済社会の学び方-健全な懐疑の目を養う (中公新書 2659)作者:猪木 武徳中央公論新社Amazon Introduction 新幹線でサクッと読んだ本 結論からいうと、「良くも悪くも引っ掛かりのない本」という感じだった。 スルスル食えるけど味もすぐ忘れそうな感じの。普…

【備忘】村上春樹・柴田元幸『本当の翻訳の話をしよう』(2019)

本当の翻訳の話をしよう発売日: 2019/05/09メディア: 単行本 Introduction 印象に残った箇所の備忘 明治の翻訳における漢学の役割 二葉亭四迷の「あひゞき」の翻訳が当時の文学に与えた影響 漱石に対する村上春樹の評価 短編小説家を支えたアメリカ50'sの雑…

【簡単な備忘】『分解するイギリス:民主主義モデルの漂流』(近藤康史, 2017)

図書館で借りて、最近移動時間や休憩時間に読んでいた本。 (新着図書のところに置いてあったから今年の本かと思いきや3年前の本だった) 政治のことは国内外含めわからないし、イギリス社会にも全然詳しくないが、単純に勉強になった。分解するイギリス: 民…

最近印象に残った言葉 part2

うぐひすに 人は落ち目が 大事かな 久保田万太郎 黒澤は少し黙り、そのまま車を走らせていたが、やがて、 「罪は引力みたいなものだ、と書いてあったな」とぼそりと言った。 「罪が引力?どういうことだ」 「地上にあるものは罪から逃れられない。罪をゼロに…

Boudon(1969=1970)『社会学の方法』

社会学の方法 (文庫クセジュ 483)作者:レイモン・ブードン発売日: 1970/12/01メディア: 単行本Boudon, Raymond , 1969, Les methodes en sociologie,Presses universitaires de France(=宮島喬訳, 1970, 『社会学の方法』白水社) Introduction 印象に残った…

『日本の経済学史』(橘木, 2019)

日本の経済学史作者:橘木 俊詔発売日: 2019/10/11メディア: 単行本 Introduction 印象にのこった箇所の備忘 福田徳三のスパルタ指導について なぜ戦後20~30年はマルクス主義経済学が国内の覇権を握ったのか、という点について 日本人が数理経済学においてワ…

『移民の経済学』(友原章典, 2020)

移民の経済学-雇用、経済成長から治安まで、日本は変わるか (中公新書)作者:友原 章典発売日: 2020/01/17メディア: 新書 Introduction 門外漢だけど(門外漢だから?)面白く読めた。著名な海外文献のレビューが、各トピックについて適度に(=詳細すぎない…

最近印象に残った言葉

社会は人に一つの人格を望む。 人格が一貫していればしているほど誠実な人間だと捉えられる。 だから皆「表向きの自分」を演じてそこからはみ出る部分を隠したがる。 隠してきたものを消してやれば一貫した人生になる。 反対に暴き始めれば色んなものが壊れ…

Catch up!(藤井猛, 2017, 「四間飛車上達法」)

四間飛車上達法 (最強将棋レクチャーブックス)作者: 藤井猛出版社/メーカー: 浅川書房発売日: 2017/12/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る非常にいい本だった(さすが藤井"てんてー"御大) 急戦(棒銀)への対応の定跡に…

「世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書」(佐藤知一, 2015)

モチうめぇ。ピザうめぇ。 Introduction プロジェクト・マネジメントという概念やその実行技術というものは、 業界や立場、そしてチームで仕事をするか/個人で仕事をするかという違いを超えて必要な知識だと思う。 (学校で教えてもいいくらいだと思う。道…

『「超」発想法』(野口悠紀雄, 2000)

Introduction ヒラノ教授シリーズもあらかた読んだので、今野浩の高校の同級生である野口悠紀雄の本をよむ。 とりあえず今野氏が描く野口氏は、スーパーウルトラ猛烈ハイスペック勉強マシーンという感じである。 (「あのころ、僕たちは日本の未来を真剣に考…

羽生二冠のジグソーパズル

「羽生善治 闘う頭脳」pp.333-334, 沢木耕太郎氏との対談より。 どうやって羽生さんは将棋を研究しているのか?と訊かれた時の応答。 沢木: 今流行している戦型があったとして、あそこでこうじゃなくてああ指したらどうなるのか、ということを考えるわけで…

「知的生産の技術」(梅棹忠夫, 1980)

Notes 関係ないけど最近一番嬉しかったことは、 小野 滋さんの「読書日記」が復活したことである。 (twitterを拝見する限り、体調を崩して休養していたようだ)博覧強記ってこういうことかと言わしめるこんな方が在野にいるんだなって思うと 私は怠けている…

「知的トレーニングの技術」+「アイディア大全」

執筆・リサーチの方法論がいまいちイケてないんじゃないか、 というのが最近の自分自身の疑念としてあるので、読んでみた。 忘却の前にちょいと書き残しておく... ひとこと感想 「アイディア大全」 ・ネット上では有名なブロガー、読書猿さんの著書。いろい…